天国の仲間と共に 聖地へ
全国屈指のラグビー強豪校である東福岡高校に、この春、一人の特別な部員が加わりました。彼の名は、昨年秋に不慮の事故で急逝した中学3年生のタケルさん。生前、誰よりも東福岡ラグビー部に憧れ、「いつかこのチームで一緒に戦いたい」と夢見ていた少年です。彼のジャージは、チームメイトの手によって大切に保管され、開幕を間近に控えた花園の土を踏むことになります。
生前の熱い思いがチームを動かす
タケルさんが東福岡のラグビーに強く惹かれたのは、その圧倒的な強さだけではありませんでした。試合で見せる選手たちのひたむきな姿勢、仲間を思う温かい心、そして何よりも勝利に向かって全員で突き進む一体感に心を奪われたのです。「自分もあのチームの一員として、勝利のために貢献したい」と語るタケルさんの言葉は、周囲の誰もが知っていました。
仲間たちの誓いと行動
タケルさんの突然の訃報に、生前のチームメイトたちは大きな悲しみに暮れました。しかし、彼らはそこで立ち止まりませんでした。「タケルの分まで、絶対に花園に行く」。そう誓い合った仲間たちは、彼の夢を自分たちの夢として捉え、より一層練習に励みました。そして、「一緒に戦いたい」というタケルさんの強い思いを形にしたいと、東福岡ラグビー部に彼のジャージを託すことを決めたのです。
背番号「∞」に込められた永遠の絆
東福岡ラグビー部は、仲間たちの熱い思いを受け止め、タケルさんに特別な背番号を用意しました。それは、「無限」を意味する「∞」。この背番号には、「タケルと共に、いつまでも一緒に戦う」という強いメッセージが込められています。開幕戦当日、チームのジャージと共にロッカールームに飾られたタケルさんのジャージは、選手たちの心を一つにする象徴となるでしょう。
みんなで掴む勝利を天国の君へ
キャプテンのユウマ選手は、「タケルの夢を背負い、チーム一丸となって戦います。彼の魂は、いつも僕たちと共にあります。必ず花園で勝利を掴み、天国のタケルに届けます」と力強く語りました。急逝した一人の少年と、彼の夢を追いかける仲間たちの絆が織りなす感動の物語。東福岡ラグビー部の戦いが、今、始まります。
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